法人成り・法人化|未払個人事業税の計算のやり方(見込控除)

こんにちは。こんばんは。

千葉市花見川区(新検見川)で公認会計士・税理士をしています、岸会計事務所です。

法人成りする際、事業税の処理については、注意が必要です。

法人成りに慣れていないと手間がかかる処理を選んでしまうケースがありますので、

今日のコラムでは、この点について、解説していこうと思います。

法人成りの際の原則的処理

事業税は、前年の事業所得に課税されます。

そのため、年の途中で法人成りした場合には、事業廃止後に事業税(個人分)が課税されることになります。

この事業税(個人分)は、原則として、賦課決定のあった時に事業廃止年度分の「更生の請求」の手続きをすることで、

賦課決定された金額を必要経費に算入し、所得税の還付を受けることになります。

法人成りの際の実務上の処理

原則は上記の通りですが、実務上は、「更生の請求」手続きではなく、

「見込控除」の手続きをするケースが多いです。

賦課決定される前に、見込みで計算・計上してしまうことが認められています。

そのほうが、事務負担が少ないからです。

法人成りした後に、再度、申告するのは面倒ですからね。

したがって、事業税の賦課見込み額を個人事業主の確定申告において、

事業廃止年度分の必要経費に計上します(所得税法基本通達37-7)。

法人成りの際の見込控除する個人事業税の計算のやり方

計算のやり方は、以下の通りです。

<事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税の見込控除>

事業税を課税される事業を営む者が当該事業を廃止した場合における当該廃止した年分の所得につき課税される事業税については、

37-6にかかわらず、当該事業税の課税見込額を当該年分の当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することができるものとする。

この場合において、当該事業税の課税見込額は、次の算式により計算した金額とする。

(A±B)×R÷(1+R)

A……事業税の課税見込額を控除する前の当該年分の当該事業に係る所得の金額

B……事業税の課税標準の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額

R……事業税の税率

 

(注) 事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税について上記の取扱いによらない場合には、当該事業税の賦課決定があった時において、

法第63条《事業を廃止した場合の必要経費の特例》及び第152条《各種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求の特例》の規定の適用がある。

<所得税法基本通達37-7 より引用>

 

まとめ

最近、法人成りをする個人事業主が増えています。

ある程度の所得があるならば、法人成りは節税になります。

そして、法人成りをして会社にしたのなら、資金繰りを考えつつ、

会社を大きくしていってほしいというのが、税理士としての私の思いです。

法人成りをする際、注意が必要な点は他にもありますが、

そのような点に注意しつつ、間違いのない法人成りを

していってほしいと思います。

 

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投稿者プロフィール

岸知史
岸知史インターネットビジネスを約10年副業でやっている税理士
千葉市花見川区(新検見川)でインターネットビジネスを始めて約10年経過。いまだに現役であるため、インターネットビジネスの会計・税務処理を得意としている。インターネットビジネスにおいて、10年の知識と経験を持つ税理士は、日本では見当たらないとの定評がある。

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