駐車違反・スピード違反の反則金(罰金)は経費になる?仕訳は?

こんにちは。千葉市花見川区会計事務所をしております公認会計士・税理士の岸です。

 

業務中に、役員や従業員が車を使い、誤って駐車違反、スピード違反や

スマホの「ながら運転」で警察のお世話になり、

交通反則金(罰金)を支払うケースがあります。

 

これらの罰金は、経費になるのでしょうか?

 

また、その仕訳・勘定科目はどのようにすればよいのでしょうか?

 

本日のブログは、これらについて、書いていきたいと思います。

原則:交通反則金(罰金)は経費にできない(損金不算入)

結論から先に申し上げると、原則は、例え、業務中の交通違反であっても、

その罰金は、税務上は、経費にはできません(損金不算入)

 

□業務中の交通違反の交通反則金(罰金)の取り扱い
★原則として、税務上は、経費にできず、損金不算入である。

 

では、実務上の処理は、どのようにするのでしょうか?

 

法人の場合と、個人事業主/フリーランスの場合に分けて、書いていきたいと思います。

法人の場合:原則処理

「業務上やむを得ない場合には会社が負担する」、などの社内規程等がある場合には、

経費として計上することは可能と考えられます。

 

その場合の仕訳・勘定科目は、「租税公課」を使うのが一般的です。

 

しかし、これは会計上の処理であって、税務上の処理は損金不算入となります。

法人税基本通達より引用

9-5-8 役員等に対する罰科金等

法人がその役員又は使用人に対して課された罰金若しくは科料、過料又は交通反則金を負担した場合において、その罰金等が法人の業務の遂行に関連してされた行為等に対して課されたものであるときは法人の損金の額に算入しないものとし、その他のものであるときはその役員又は使用人に対する給与とする。

損金に算入できるとなると、税金の負担が減少することとなり、結果として、

その罰則的な効果が減少することとなるため、損金算入できないと考えられます。

法人の場合:例外処理

なお、上記の法人税基本通達では、当該違反が業務内の場合には、損金不算入と書かれていますが、

一方、業務外の場合にその反則金(罰金)を法人が負担する場合には、給与とするとあります。

従業員の場合

従業員の業務外の反則金(罰金)を会社が負担する場合には、会計上は「給与」で処理し、

税務上は損金算入になります。

もちろん、所得税や住民税の課税対象となります。

役員の場合

役員の業務外の反則金(罰金)を会社が負担する場合には、会計上は、「役員報酬」で処理しますが、

税務上は、「定期同額給与」ではなくなってしまうので、損金不算入となります。

もちろん、従業員と同じように、所得税や住民税の課税対象となります。

いわゆる、往復ビンタになってしまいます。

 

法人の例外処理まで記載しましたが、原則処理が一般的に行われていますので、

例外処理をする場合には、極めて慎重になったほうがよいと思います。

 

「業務外」の費用を会社が負担するのは、会社の私物化に見えるからです。

 

個人事業主/フリーランスの場合

個人事業主/フリーランスの場合も、交通反則金(罰金)は、税務上は、損金不算入です。

会計上の仕訳処理としては、「事業貸」の勘定科目を使います。

所得税法45条より引用

居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。

七 罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するもの及び外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料

 

交通違反に付随するレッカー代や保管費用は?

駐車違反区域にずっと車を置いておくと、レッカー車が出動し、

車を強制的に移動させられ、特定の場所に保管されます。

 

これらのレッカー代や保管費用は、反則金(罰金)とは性質が異なりますので、

法人、個人事業主/フリーランスともに、損金に算入できます。

まとめ

ここまで、交通反則金(罰金)の会計処理・税務処理について、見てきました。

 

法人、個人事業主/フリーランスともに、原則的には、経費に算入できませんので、

くれぐれも車を使う場合には、交通違反をなくすよう、最大限の努力をしましょう。

 

そうしないと、その日の利益が、罰金分だけ飛んで行ってしまうからです。

 

 

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投稿者プロフィール

岸知史
岸知史インターネットビジネスを約10年副業でやっている税理士
千葉市花見川区(新検見川)でインターネットビジネスを始めて約10年経過。いまだに現役であるため、インターネットビジネスの会計・税務処理を得意としている。インターネットビジネスにおいて、10年の知識と経験を持つ税理士は、日本では見当たらないとの定評がある。

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